新進気鋭 酒蔵訪問の旅 234蔵目
豊の秋(とよのあき)|米田酒造株式会社
島根県松江市東本町3丁目59
酒名:豊の秋(とよのあき)
■創業:1896年(明治29年)4代 ■杜氏:出雲杜氏 ■仕込み水:弱軟水 ■訪問日:2011/11/29
代表銘柄
豊の秋(とよのあき) 米田酒造株式会社
明治29年(1896年)創業の現在4代続く酒蔵。
島根県の県庁所在地である松江市。
松江藩の城下町を中心に発展してきた山陰の中心都市で、蔵が位置する現在の松江市東本町は、かつて大橋川を流通拠点とする海産物などの問屋が軒を連ねていたい事から「末次魚町(すえつぐうおまち)」と呼ばれていました。
魚問屋以外にも、醤油、酢、氷など様々なお店が軒を連ね、松江の商文化、食文化の中心だったそうです、今でも3件の酒蔵が稼動しています。
その中の一つ、明治29年(1896年)に米田金五郎氏によって創業された酒蔵が豊の秋(とよのあき)という酒を造る米田酒造株式会社です。
写真は米田酒造の杜氏を勤める上濱智信さん、流派は出雲杜氏。
智信さんは地元の漁師町出身で、県外の会社でエンジニアの仕事を経て、平成11年に米田酒造に蔵人として入社。出雲杜氏の元、経験を重ね平成19酒造年度より杜氏のポジションに就き酒造りをされています。
写真は精米所。
豊の秋では原料米は島根県産の五百万石、神の舞、改良雄町、山田錦、佐香錦を使用。
ほぼ大半が島根県産の米を用い、県外産の米は兵庫の山田錦と福井の五百万石のみ。
普通酒も含めてすべて酒造好適米を使用し、全量を写真の精米所にて自家製米をされています。
写真は釜場です。
写真は麹室など。
麹室の入り口を撮影。中に入らせてもらいましたが、蔵人さんが上半身裸で真剣な表情で作業をされていました。
写真が撮れるような雰囲気ではなく、迷惑をかけてはと思い、早々に外に出ました。
枯らしている最中の麹を撮影。
写真は三菱農機製の「杜氏産」いう製麹機。この蔵のものが第一号機。
杜氏産という製麹機は箱麹で造る麹を自動化して造る道具です。
島根県工業センターと島根大学、三菱農機との共同開発で、米田酒造に置かれている機械が第一号のモニター機だそうです。
大量に麹を造るための道具ではなく、特定名称酒に用いる麹を造るための製麹機。
昔の杜氏・蔵人は、蔵に住み込んで深夜や早朝でも麹の積み替えなどの作業を行なっていました。
しかし最近は、昔の杜氏集団から社員杜氏に移行する蔵が増えた事で、家から通勤される蔵人・杜氏が増えてきました。
そのため深夜に必要な作業は、装置で自動化する必要にも迫られる事になります。
そのような背景もあって開発された機械ではないでしょうか。
栃木の天鷹酒造、愛知の関谷醸造、長野の宮坂醸造、大阪の大門酒造でも見た事があります。
写真は酒母室。
米田酒造が造る豊は濃醇旨口タイプの酒。
「ふっくら旨く心地よく」をモットーに、ふっくらとした広がりのある旨味と、すっきりとした後切れの良い心地よさを追求。
単に味が濃いのではなく、逆に薄く飲み易いというだけでなく、「食」を楽しませることのできる酒を心がけ、松江の食文化の一翼を担える酒造りを目指されています。
写真は仕込み部屋。
蔵の中で一番売れている酒は「上撰 豊の秋」。
杜氏さんのお話によると、個人的に一番好きなお酒は「特別純米酒 雀と稲穂」。
スローフードジャパン 第3回燗酒コンテスト2011で金賞受賞した酒で、45度の燗酒がおいしい温度だそうです。
写真は槽場です。
ヤブタと呼ばれる圧搾機と、昔ながらの槽で酒を上槽しています。
最後に訪問の証の記念撮影。
私が訪問した時、蔵では甘酒を造っていた最中でした。
米田酒造が造る甘酒は美味しくて人気との事。車を運転してきたので、お酒の試飲が出来なかったので代わりに甘酒をいただきました。
とても美味しい甘酒に驚く吾郎でした。
商品の購入・質問は豊の秋(とよのあき)|米田酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0852-22-3232豊の秋醸造元米田酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。